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命の架け橋 ~ミャンマーを医療と菜園で笑顔に~

ミャンマーってどんな国

2010年にアウンサンスーチーさんの軟禁が解除された頃から、日本のテレビでもミャンマーのことがよく取り上げられるようになりました。
ビジネスでミャンマーを訪れる人は多くなりましたが、ミャンマーへ実際に行ったことがある人は、まだあまり多くはないのではないでしょうか。
MFCGが活動の場としてるミャンマーがどんなところなのか、人々の暮らしを中心に紹介していきます。

1.人(ひと)

ミャンマーには大きくわけて8つの民族、少数民族を合わせると135の民族がいると言われています。
ミャンマーに国籍を持っている人をミャンマー人とは言いますが、ミャンマー族という部族はなく、各人が文化や伝統の異なる民族に属しています。
主要8民族とは、ビルマ族、モン族、シャン族、カチン族、カヤー族、カレン族、チン族、ラカイン族(順不同)を指し、独自の文字や話し言葉を持っている部族もあります。
それに加えて華僑や印僑、イスラム教徒も少なからず住んでいるため、信仰もそれぞれ異なっておりとても複雑です。
「仏教の聖地チャイティーヨーを登るトラックバスの荷台にて。
いろいろな顔だちの人がいます」
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「ヤンゴンのダウンタウンにあるムスリムの市場。
彼らもミャンマー人」
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「カチン州の街バモーの市場にて。
彼女達はカチン族。
カチン州は中国雲南省に近く、中国ではジンポー族と呼ばれる。
手前に見えるのは豆腐です」
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「シャン州南部の中心都市タウンジーのシャン料理屋にて。
シャン州は中国に隣り合っており中国系の顔立ちの人が多い印象です」
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「インレー湖に住むインダー族は足で櫂を漕ぐ」 what-5

2.食(たべるもの)

ミャンマーにはたくさんの民族が住んでいるので、それだけ食文化も多様です。
主食は米と言われ、ふつうは朝昼夜と白いごはんを食べます。
おかずは肉食や魚食がふつうで油を多く使う特徴があります。
「油の中におかずが浮かんでいる」と言っているのを聞いたことがあります。
この油に慣れない外国人は、ミャンマーでの食事に苦労することになります。
また米粉で作った麺を食べる場面も多く、各民族によってさまざまな麺料理があります。
日本のうどんが地域によってさまざまな種類があるように、ミャンマーの麺料理もバリエーションが豊富です。
そもそも日本のうどんは東南アジアから渡ってきたと言われており、ミャンマーの麺料理は日本のうどんのルーツとも言えるのかもしれません。
食べ物といえば、ミャンマー人は仲の良い間柄であいさつを交わす際、日本だったら「調子はどう?」とか「げんき?」と言うところを「ごはん食べた?」と訊くことがよくあります。
もし仲良くなったミャンマー人が「タミンサーピービーラー?」(ごはん食べた?)と訊いてきたら、おなかがすいていなかったら「ピービー」(食べおわったよという意味)と、おなかが空いていたら「マサーヤーデーブー」(まだ食べてないよという意味)と言ってみてください。
「ビルマ族の家庭料理。
メインは真ん中の肉とジャガイモの煮物」
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「ビルマ族の代表的な麺料理、その名もモヒンガー。
なまず肉のダシが出ていて独特の味わいが特徴。
慣れるとおいしい」
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「シャン族の料理は炒め物や煮物がバットに入っていて指指しで注文できるので旅行者にも便利。
中国料理に似ているので日本人にも食べやすい」
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「ヤンゴンの路上に南インド料理のドーサ(米粉のクレープ)」 what-9
「ラカイン族の麺料理モンディ。
とても辛いけどおいしい」
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「茶店はどの街にもある。
飲まれているのはラペッィエという名の甘い甘いミルクティー」
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「タウンジーの市場で見つけた食用の虫。
シャン族は虫を食べる」
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「ミャンマーの納豆。インレー湖の市場にて」 what-13
「インドのビリヤニはダンバウと呼ばれよく食べられています。
ダンバウは鷄肉の炊き込みピラフ」
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「オンノウ・カウスエはココナツミルクのうどん。
辛くなく油っぽくなく旅行者にも人気です」
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3.衣(まとうもの)

最大都市ヤンゴンでは、日本のようにジーンズをはいた若者も見るようになりましたが、地方に行けば、まだまだロンジーという腰巻きをはいた人をたくさん見ます。
ロンジーは一枚の布の端を縫い合わせて筒状にしたもので、男性も女性もはいています。
民族によって柄が、またその土地の気候によって材質にも違いがあるようです。
ロンジーは暑いミャンマーを快適に過ごすための必須アイテムです。

お隣の国バングラデシュやインドではロンジーをルンギといい、まったく同じものを履いています。
ミャンマーとバングラデシュではロンジー(ルンギ)は公の場で履くことはまったく問題ありませんが、インドでは部屋着や寝間着のように扱われており公の場で履くことは好ましくありません。
私事ですが、バングラデシュでロンジーをはいたまま国境を渡りインドへ入ろうとした時に、イミグレーションの職員に叱られたことがあります。
いわく「国境は公の場だからルンギはふさわしくない」とのことでした。
ミャンマーとバングラデシュではロンジーひとつで何処へでも行くことが出来ただけにショックでした。
ロンジーをはいたままインドへ行く時は、どうかご注意ください。

ミャンマーにはタナカという白い「おしろい」を顔に塗る文化があることをご存知でしょうか。
タナカとは乾燥させた柑橘系の樹幹を粉状にしたもので、これを塗ると、日焼けをふせいだり、肌を白くしたりできると言われています。

「花柄のロンジー。女性用のロンジーはタメインと呼ばれます。」 what-14
「得度式での正装。
ミャンマーには一時出家と言って期間限定でお坊さんになる慣習があり、お坊さんになる儀式を得度式と言います」
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「パオ族の民族服を着た女性達。
インレー湖に行くと、彼女達が日常的に民族衣装を着ている姿が見られます。」
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「インレー湖ではパダウン・カレン族に会えます。
カレン族の貫頭衣とパオ族の貫頭衣は生地の色が違うがデザインが似ています」
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「朝の托鉢をするお坊さん」 what-14
「女性の出家者はティラシンと言って桃色の袈
裟を着ています」
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「赤いタメインは看護師さんの制服」 what-14
「子どもはタナカを塗っている子が多い」 what-14
「塗りすぎじゃないか!? とツッコミをいれたくなる子もたまにいます」 what-14

4.住(すまうところ)

ミャンマーでは日本のちゃぶ台によく似た低いテーブルを家族みんなで囲み食事をしている風景をよく目にします。
もっとも年を経ると床に座ることがたいへんになるため、お年寄りがいる家ではイスを利用した生活も見ました。
日本はイスの生活が主体になり、床で生活する家庭は少なくなっているので、ミャンマーでちゃぶ台を見るとなつかしい感じがします。
「お寺の食事。ちゃぶ台を使っています」 what-14
「隣国バングラデシュのチッタゴン丘陵に住むミャンマー系の少数民族もちゃぶ台を使います。
国は違えど文化は地続きです」
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トイレはほぼ100%、日本の和式トイレと同じようなしゃがんでするタイプのものです。
しゃがむことが出来ない人は工夫をする必要があります。
トイレの中には水がはられた水槽か、水道の蛇口が右側にあり、右手で手桶に水を汲み、左手でおしりを洗います。
この「マニュアルシャワートイレ」とでもいうミャンマーのトイレシステムは先述したロンジーとの相性が抜群によいので、ミャンマーをしばらく旅行してロンジー+マニュアル水洗トイレに慣れてしまうと、アジアの他の国に行った時にかえって不便さを感じるようになるはずです。
「一般的なスクワットタイプのトイレ。日本とは座る向きが逆なので注意!」 what-14
「しゃがむことが出来ない人のために作られた便座的な補助装置。どこにでもあるわけではないので、しゃがめない人はミャンマーでは要注意です」 what-14
住居とは関係ありませんが、ミャンマーの暮らしに欠かすことが出来ないのが市場です。
市場は人々の生活の中心であり、その土地の暮らしぶりがひと目でわかる場所です。
はじめて街を歩く時はまず市場に行くことをおすすめします。
日本では見慣れない品物や食べ物にたくさん出会えること請け合いです。
市場はだいたい朝の5時~6時ころから動きはじめています。
昼頃にはすでに閑散としてしまうため、朝に行くことをおすすめします。
ホテルの西洋風の朝食に飽きてきたら、朝の市場に出ている屋台に腰かけ、ミャンマーのソウルフード「モヒンガー」や「オンノウカウスエ」を注文してみてください。
言葉が通じなくても座ればお客さんだということは通じるので、なんとかなるものですよ!
「ヤンゴン下町の朝市」 what-14
「メッティーラの青空市場」 what-14
「バモーの市場。市場には必ず食堂や茶店があります」 what-14
「100円ライターのオイル詰め替え屋さんも市場にいました」 what-14