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ミャンマー大地震:雨期到来 被災地でボート、トイレ支援を想定

2025年3月28日のミャンマー地震の発生から2カ月あまりがたちました。ニュースで取り上げられることも少なくなっていますが、被災者の厳しい状況は続いています。

MFCGが活動しているミャウンミャ地域をはじめ、5月中旬からミャンマー各地で雨が降り始めました。雨期の到来です。これから10月中旬まで、ミャンマーでは連日、雨が降ります。短時間のスコールがやってくる日もありますが、1日、雨が降り続く日もあります。地震で家に被害を受けた人たちにとっては、過酷です。

雨期には、これまで以上に衛生面のサポートが必要になります。また、生活や生業(なりわい)のために、ボートも必要です。本格的な支援が求められています。

ボートを使った支援物資の運搬

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2025年5月、MFCGメンバーが地震の被害を受けた地域に入り、アセスメントシートを使って、現在と今後、必要なサポートについて聞き取りを行いました。その結果、現地では3つのものについてサポートが必要とされていることがわかり、MFCGとしてはこのうちの2つについての支援に力を入れていくことを決めました。

3月28日の地震で傾いてしまった家

サポートが必要なものの第一は、家でした。MFCGメンバーが入った地域では、ほとんどの家屋が破損していました。「全壊」状態の家屋に加え、「半壊」状態の家屋も地震で傾いてしまっているため、修理をせずに使い続けることが難しい状態です。

被災地に近い地域では、家の修理に使う竹の入手が難しく、また多くの家が倒壊したため、大工を見つけることも容易ではなくなっていました。

必要なものの2つ目は、ボートです。メンバーが入った地域は、湖や沼が多い地域で、住民たちは水上や湿地の上に家を構え、漁やトマトの水耕栽培で生計を立てています。道路は整備されておらず、病院へ行くときも含め、移動はボートに頼っていました。

今回の地震では、この重要なボートが流されたり、損傷を受けたりしました。修理をするにも繊維強化プラスチック(FRP)などの資材と、専門技術が必要です。

必要なものの3つ目は、トイレです。現地でトイレと言えば、落とし込み式(掘った穴に排泄物を落として貯める)の簡易型トイレです。地面に直径1.2m前後、深さ2.5m前後の穴を掘り、この穴に現地で「コイル」と呼ぶ円筒形のコンクリートブロックを8~9個重ねます。

地震の揺れで「コイル」が崩れ、多くのトイレが使えなくなってしまいました。「コイル」の購入も入手も難しく、この状況が続けば、住民たちは湖や水辺で用を足してしまいます。この地域では以前から、湖で用を足すことが一般的だったのです。そうなると、体を洗ったり、ときには料理や飲用にも使う水は汚染されてしまいます。

被害の規模や支援の予算などを検討した結果、MFCGはボートとトイレの支援に力を入れていくことにしました。家屋の修理も重要ですが、費用や被害の規模からなかなか難しく、保健衛生の取り組みを続けてきたMFCGにとって、トイレの支援は欠かせないと判断しました。

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ミャンマーは、日本と同じ「地震国」です。多くの震災を経験してきた私たちだからこそ、長期的な視点での支援の重要性を強く実感しています。MFCGはミャンマーでの長年の活動の経験とネットワークを生かし、必要なところに、必要な支援を届ける努力を続けます。支援継続のため、皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

支援物資(マットレス)の配布

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【以前の記事】
ミャンマー大地震支援:被災地に衛生用品などを届けました